技術の発達により、食料品を大量に生産することが可能になった現代。
しかしそれと同時に、我々は大量に廃棄をするようになりました。
「形が悪くて値が付かないから廃棄しよう」
「消費(賞味)期限が数分(数日)過ぎたから廃棄しよう」
「おいしくないから廃棄しよう」
こんな理由で簡単に廃棄されてしまいます。
まだ食べることができるのにも関わらずです。
その日食べるものすらままならず、ゴミ箱を漁る人々。
その横で、大量に廃棄されていく食料品。
こうした光景もよく目にします。
なんとも狂った世界です。
「この現状を打破することができたらな」とずっと感じていました。
そんな中、カナダに非常に素敵な取り組みがあることを知りました。
この取り組みは非常にシンプルですが、
「もったいない」を大幅に減らし、
節約したい人や食料に困っている人を助けることができます。
今回は、その素敵な取り組みについてご紹介します。
その名も「フードレスキュー(Food Rescue)」
その取り組みはフードレスキューと呼ばれています。
カナダにあるいくつかの非営利団体(NPO)が、
それぞれ独自にフードレスキューに取り組んでいます。
その概要について、カルガリーのNPOを参考にして説明します。
このNPOの情報によれば、
世界中で生産されている3分の1の食料品は廃棄されているみたいです。
とんでもない量です。
カナダでの主な廃棄元として「家庭」が47%も占めています。
家庭での「もったいない」って意外と多いんですね。
この取り組みのシステムは、以下のようになっています。
まず、スーパーマーケットやレストランで売れ残った食料品を、
ボランティアの人たちが集めます。
次に、NPOの人たちが、集められた食料品をピックアップしに行きます。
そしてそのまま、NPOの人たちが、配給サービスを提供する施設まで配達します。
配給サービス施設内では、
誰でも無料で食料品をもらうことができます。
しかし、NPOは寄付金で運営されており、
施設内では、強制ではないですが寄付を募っているので、
気持ちくらいは入れたほうが良いでしょう。
フードレスキューの流れはこのような感じです。
利用した感想
先日、実際に利用してみました。
利用したのは、筆者が住むバンフのフードレスキュー。
その日、施設にはパンや野菜、フルーツや惣菜など、
豊富な数の食料品がありました。
消費・賞味期限が迫ってきているものなので、
もちろん見た目はそれほど綺麗ではなかったですが、
数日内に消費するので何も問題はありませんでした。
筆者は$2寄付したのですが(相場は$1以下みたい)、
パンやサラダ、フルーツなど、およそ$20分ほどもらうことができ、
非常にお得でした。
しない手はない
上で説明したように、システムはとてもシンプルです。
しかし、これだけシンプルなシステムにも関わらず、効果は絶大です。
そして、それ以上に素晴らしいところは、
このシステムに関わるすべての人が幸せだということです。
食料品を無料または格安で手に入れられる人が幸せなのはもちろん。
NPOは寄付という収入があります。
スーパーマーケットやレストランなどの廃棄する側も、
廃棄するための費用が必要なくなるでしょう。
これほどメリットがあるのなら、今すぐしない手はないです。
こうした動きがどんどん活発になり、
循環型の社会になっていくことを願うばかりです。
コメントを書く