この世界には、
「外向型」の人と、
「内向型」の人がいます。
外向型は、様々な活動・人・場所・物など、
自分の外側の世界からエネルギーを得るタイプ、
内向型は、アイディア・感情・印象といった
自分の内側の世界からエネルギーを得るタイプのことです。
簡単に言うと、
外向型の人は、外の世界に出て、できるだけたくさんの物や人、活動に関わりたい人
内向型の人は、自分の中の考えや感情に深く向き合い、様々なことについて熟考したい人
ということです。
どちらも単なる生得的な「気質」の違いなので、
どちらが良い悪いということは全くありません。
ちなみに筆者は、完全なる「内向型」です。
しかし現在、
どういうわけか、内向型の人は非常に生きづらいのです。
おそらく大半の内向型の人はそのことを実感しているでしょう。
その内の1人である筆者も、それを痛感しています。
例えば、
筆者はとても音楽が好きで、とりわけRockやEDMをよく聴きます。
比較的賑やかなジャンルなので、音楽の趣味が合う人と話していると、
「ライブ・クラブ・フェスに行こう」という話にしばしばなります。
しかし、毎回断ります。
なぜなら、筆者はそのようなイベントが本当に好きではないのです。
筆者にとって音楽とは、落ち着いた空間でゆっくりと聴き、
メロディーや歌詞などを深く味わうものなのです。
こんなことを言うと、
当然周りの人からは怪訝な目で見られます。
このようなことは、日常的に起こります。
その度に、内向型の人は居心地の悪さを感じます。
それではなぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
心理コンサルタントである Otto Kroeger と Janet M. Thuesen は、
このように述べています。
「内向型の人は、外向型の人3名に対し約1名と、数において劣っている。
結果として、彼らは特別な世渡り術を編み出す必要に迫られる。」
つまり、内向型の人が生きづらさを感じてしまうのは、
この世界の75%の人が外向型であるからなのです。
私たちの社会では、
多数であるものが「正しい」とみなされてしまいます。
そのため、多数である外向型が「正しい」気質として捉えられ、
内向型はネガティブなものとして認識されます。
その結果、内向型の人は異質な人として扱われ、
酷い場合だと、不健全だとみなされてしまうのです。
先程も述べましたが、
外向型・内向型はただの気質の違いであり、
「内向型は不健全だ」ということは全くありません。
内向型の人は、自身の中で意見や情報を取り扱うのに対し、
外向型の人は、積極的に外部にそれらを発信します。
現代の社会では、
自分の意見を主張することが尊ばれる風潮があり、
ビジネスシーンにおいては、それが特に顕著です。
主義主張が強い人ほど重要視され、社会的地位が高まっていきます。
また、外向型の人は、人とたくさん関わることを好むので、
コミュニティの輪が内向型の人のものと比べると、非常に広いです。
そのため、外向型の人から発信された情報は、
目まぐるしい速度で拡散され、
その情報は世論や文化に大きな影響を与えます。
結果として、
外向型の主張によって形作られた「外向型社会」が出現し、
内向型の人は非常に生きづらさを感じてしまうのです。
また近年では、SNSの普及により、
拡散される速度が爆発的に高まりました。
それにより、外向型を「善」とする風潮に晒される機会が極めて多くなり、
内向型の人は、普通に生活をするだけで疲弊しやすくなってしまったのです。